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2023.10.23
みなさん、こんにちは!
今回のコラムは、「隠れて見えない」お家の劣化についてお話していきます。
先日、私は10年以上ぶりに歯医者にいきました!
虫歯ではありませんが、昔、歯に詰めたものが突然とれてしまったのです。
歯医者は、私が40年前、小学生の頃より通っていて、ベテランの先生が担当される、いわゆる町医者さんです。
そこで治療が始まるときに、今どきは患者が見えるところに、直す場所がわかる、レントゲン写真としてモニター画面がありました。
それを見ながら、「結構いろいろなところを、いろいろな形で、直しているんだなあ」と思いました。
虫歯だったところは、今は直してきれいに詰めていますが、その中身の部分がさまざまなかたちをしています。
虫歯を直したときのことを思い出し、私は本当に今まで歯医者に行くのが嫌で、結構、虫歯を直すまで、ギリギリのタイミングでした。なので、進行した状態での治療が多かったと思います。
そんなことを頭の中で思い出していたときに、ふと
「リフォームに似ているなあ!」
と思いました。
今回は、見えない所の劣化
ここに、焦点を絞っていきたいと思います。
築年数別でお家の点検をしましょう、というお話しましたが、そのときは築30年までのお家のことでした。そしてこのあたりから、リフォームのご相談をお受けすることが多くて、実際「古くなってきたから」と聞いて、具体的な検討を始めることになります。
その中身というのは、千差万別ですが、私たちのスタッフが感じるギャップというのが多々あります。
それは、「古くなってきたから」という理由で相談をされるのですが、お家を拝見させてもらうと、「そのほか」にあたるところが、随分傷んでいたり、また、全部を拝見できなくても予測できたりして、おっしゃられた内容としてリフォームされたいところと、そうでないところの、具体的にリフォームしたほうがよいだろうということの、ギャップです。
だいたい築30年を目安として、傷んだところも目に見える形として直そうとなるのですが、見えないところが、傷んでいることも多いです。そのため、私どもスタッフが容易に話してくると思いますが、他のところも点検しませんか?という投げかけです。直すことが目的として話すことが多くにありますが、一歩踏み込んで考えると、点検をせずに直したいから直すというのでは、他にも弱っているところ、あるいは傷んでいるところを、放置されることになりかねません。これは後のことを考えると、怖ろしいことです。
1つの例ですが、以前、私はお風呂のリフォームで相談をうけて、工事を承りました。築年数ですと、築28年です。
工事を進める途中、最初の段階で解体工事があり、どのお宅でもあり得ることなのですが、お風呂の見えない柱が腐っていて、しかも嫌なことにシロアリが住んでいました。
早速、駆除と予防のための防腐防蟻の提案をしたのですが、そのときは、お客様の判断で駆除だけにおさまりました。つまり、床下の点検をしないで、お風呂周りのシロアリだけが駆除の対象となり、そのときはそれで納めました。
大変だったのがその後です。
結論から申し上げますと、2年目、3年目と3回のシロアリが発生して、その度に駆除と直すための工事が必要になりました。発生したのは、2年目がキッチンの床下、3年目が水回りから外れたお部屋でした。
少し、特殊な点ですが、そのお宅には増築をした箇所があり、以前からあった外部の排水溝がキッチンをはじめとして残してあり、床下に隠れていました。
お客様の声が思い出されますが、
「最初のうちに、全体のシロアリの点検をしておけばよかった」
ここで思ったのが、築30年前後のお家の傷みかたを経験上、話していくことが大事だということと、お勧めすることは、「点検」だな、ということでした。
ここで、劣化が水回りに多いのはなぜか?ということです。ご存知の方もあらためてご確認すると良いと思うのですが、具体的に、水回りは字のごとく、「水」を家の中で扱うところです。
正常な感覚でいれば、「水」を扱うので、そこは他のところとは、確実に分離していないといけません。わかりやすく言えば、
「水で漏れていたらたいへん!」
ということです。
それでは、その対策をしているお家なのに、なぜ「水」に影響をうけて、劣化するのか?
結論から言うと、「結露」と「密閉された空間」が原因です。
普段から目の届かないところに注意して関心を持つ。
それが、なかなかできないのが実情です。
なので、知らないうちに劣化が進み、放置してしまうと、見た感じでもはっきりとわかる傷みになってきます。築年数にして、11年目~20年目に徐々に出てくる状況です。
元々、変わった理由で劣化が始まったのではなく、なるべくしてなった、というのが正直なところです。いろいろな水回りの現場を観てきましたが、だいたい似たような劣化の状況が見られます。
そしてそれは、温度の変化、つまり台所やお風呂場やトイレなどの配管があるところで床下に温度差が生じるので、「結露」が生じる。
さらに見ることも不可能な「密閉された空間」に、ジメッとした、何年も濡れたままの状態で木材があり続ける。結果として、木材の腐りが生じて、シロアリが発生したりする。こんな流れがある床下の実情です。
シロアリが発生するような場所は、先に述べた水回りが多いですが、意外な場所があります。
それは、和室です。
すべてのお家に当てはまるわけではありませんが、なぜか、被害のある場所として、和室があがってきます。体験した物件の共通することは、何だったのか?
それは「湿気」です。
通常、床下だと換気の通った乾いた空気が想像できるのですが、被害にあったお家は空気の通りが悪かったのです。家にある床下収納だと、わかることが多いですが、その蓋を開けると、湿った空気を感じることができます。流れのある乾いた空気の存在が感じられません。
そんな現場で、シロアリが発生しています。
また、その例が少ないですが、地面が濡れている和室などは、被害にあっています。
その例の特徴としては、地面から何らかの不具合があって床下の湿気が常に高い状態であることです。おそらく、点検まではしていませんが、お客様の声を聞くと、地下水が家の下に通っていて、雨の降り続くときなどに「湿気」が高くなる、といった例をこれまでに聞いたことがありました。
そんな理由で、シロアリが、「住みか」として和室を選んでいるのだと思います。
このように、床下は普段から見ることはありませんが、その状況は、常に時間とともに変化しているものです。なので、点検が必要な場所に、最初にあげられるところです。
床下の点検をすれば、大きなトラブルが避けられる、といっても過言ではありません。
みなさんが、リフォームをして初めて、床下に興味をもたれる方が多いなあ、と思えるのが実感です。そこを少しでもお家の被害を防ぐために、早めの点検をお勧めします。
同じく、お家の場所として、見えない所で、劣化のワースト2が壁面かと思います。
床下の点検と同時に、劣化の状況を見てみると、見えない床下に近い壁面が、傷んでいることが多いです。
ここは、床下が、まだ見えることに対して、見えないことが多いです。なので、解体しないで判断することが必要です。床面から上のところは、判断がつきにくいですが、床下の点検のときに、接している壁面だけは、目視できるので、そこで判断します。
いずれにしても、「見える」ところで、点検の目的を達成するようにしていきましょう。
リフォームをお手伝いして、実感することがあります。
それは、リフォームを手掛けた箇所が、多いかどうかで費用がかわる、ということです。
当たり前のことですが、そのことは、早く、お家の実態を知ることにつながります。
お家を建てられたときの情熱を、あるいは購入したときのワクワク感を継続できるように、点検を常に頭の片隅において、生活することをお勧めします。
そうすれば、リフォームを最小限に抑えて、無駄に感じる費用を下げていけるのではないでしょうか。
これからの人生の、実りある生活の一端に、役立てていただけばと、切に感じます。
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