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2023.12.19
2階建て以上の建物で、床を抜いて空間の広がりを演出する「吹き抜け」。開放感があり、おしゃれで良いイメージを抱いている方が多いのではないでしょうか。実際に、憧れを抱いて吹き抜けリフォームを検討している方も少なくありません。
しかし、吹き抜けにはメリットもありますが、デメリットや注意点もあります。リフォームで失敗しないように、ここで吹き抜けリフォームのメリットとデメリット・注意点を知っておきましょう。
さっそく、リフォームで吹き抜けを設ける場合のメリットから見ていきましょう。
一般的な2階構造の住宅だと、2階の床部分(1階の天井部分)によって、上方からの光が遮られてしまいます。しかし、吹き抜けを作ることで取り入れられる光の量が増え、住宅の1階部分にも直接光を取り入れることが可能です。天窓や高い位置の窓からの光が、これまで以上に家の深部まで届いて部屋全体の明るさが増し、日中の時間帯は照明に頼る必要がなくなるでしょう。電気を使う時間は減り、節約にもつながるので家計負担の減少といった面でもメリットと言えます。
また、インテリアデザインとしても、部屋全体が明るくなることで壁材や床材の色合いがより鮮明に映るようになります。内装にこだわりたい方にとっても大きなメリットです。
天井の高いお店に行き、開放感を抱いた経験はありませんか?抜き抜けを作ると、自宅にそんな開放感のある空間を実現できます。そこでの生活は開放的な気分になり、明るい気持ちで日々を過ごせるようになるでしょう。
吹き抜けを作ると、吹き抜けを通して1階と2階でのコミュニケーションを図れるようになります。一般的に2階建ての住宅で、1階と2階にそれぞれいる人は、大きな声を出さなければならず気軽にコミュニケーションが取れません。吹き抜けなら天井や床で遮られないので、視線を合わせてスムーズなコミュニケーションが可能になります。
また、上の階や下の階にいる家族の気配を感じられたり、何をしているかが分かったりするので、子どもがいる世帯だと安全管理にも役立つでしょう。
一方、リフォームで吹き抜けを作ることによるデメリットや注意点もあります。これらを知らずにリフォームをすると後悔する原因になるため、きちんとここで押さえておきましょう。
吹き抜けを作ると、実質的に住宅の利用できる床面積が減ってしまいます。それによって、収納スペースや生活空間が狭くなり、快適さが損なわれる可能性があります。本来設置できていたであろう、家具や収納スペースが設置できなくなるわけです。とくに、狭い土地面積に建つ住宅の場合、吹き抜けを作ると生活スペースの圧迫が懸念されます。
しかし、十分な広さの床面積を確保できていれば問題ありません。吹き抜けを作ったうえで、家具や収納スペースの配置を工夫することで、生活スペースの減少を感じない空間造りを実現できるでしょう。人によって快適に感じる生活スペースは違うので、リフォーム会社と相談しながら十分検討を重ねたうえで、吹き抜けを作るかどうかを決定しましょう。
水平構面が減るため、建物の変形に対抗するために他の床を強化しなければなりません。また吹き抜けの位置によっては壁がたわんだり、風の強い日は揺れるようになることもあるので、専門家に相談しながら検討する必要があります。
吹き抜け部分にシーリングファンや照明を設置すると、手が届かない部分になるので、自分で掃除したり電球を交換するのが難しくなります。もし自分で無理に行うと、転倒や落下のリスクがあるため、できるだけ避けるべきでしょう。そうなると、メンテナンスや修理の度、業者に依頼しなければならなくなってしまうため、手間やコストがかかってしまうのです。
また、吹き抜け部分の窓は手が届かないので、拭くことができません。そのため、透明ガラスにはしない方が良く「星や月が見たい」という理由でのリフォームだとなかなか難しい面があるでしょう。
吹き抜けを作ると空間が広くなる分、冷房や暖房をつけたときの効率も悪くなります。通常の部屋よりも横方向だけでなく縦方向にも広がるので、冷暖房による空気が行きわたりにくくなるのです。さらに、吹き抜け部分の断熱性が低いと、上部で冷やされた空気が下に降りてくるため対流が起こり、室温よりも寒く感じます。
また、2階の吹き抜けに面したスペースが、オープンスペースの場合、冷房をつけると冷気が下に流れてしまい、涼しくなりません。エアコンもフル可動状態となり、ランニングコストやエアコンの寿命に悪影響を及ぼすため、間取りの工夫が必要です。
吹き抜けは、コミュニケ―ションが取りやすい反面、音が響きやすいという面があります。テレビの音が上階または下階に筒抜けになるので、間取りによってはボリュームを下げなければなりません。特に、吹き抜けに面したスタディーコーナーなどは反響音を覚悟しておく必要があるでしょう。
ここでは、実際に住宅で吹き抜けリフォームした施工事例を3つご紹介します。
【Before】
【After】
出典:https://www.ishitomo-reform.co.jp/case/details_587.html
「親世帯と子世帯、それぞれのLDKが欲しい」という希望からスタートした施工事例です。今回吹き抜けを取り入れているのは、子世帯のLDK。元々、吹き抜けの構造だったため、それを活かした空間に仕上げました。縦にも広がりをもたせたことで開放感が生まれ、子どもたちも楽しく過ごせるLDKとなっています。
【Before】
【After】
出典:https://www.ishitomo-reform.co.jp/case/details_395.html
今回の施工事例では、元々あった2階の和室を抜き、吹き抜けのLDKを実現しました。採光性が向上したうえ、ダウンライトや吊り下げ型のペンダントライトの設置、白を基調とした内装によって、より明るい空間になっています。また、2階のフリールームからLDKを見下ろすことができ、LDKにいながら2階の家族とスムーズにコミュニケーションを取れるようになりました。
【Before】
【After】
出典:https://www.ishitomo-reform.co.jp/case/details_163.html
今回の施工事例では、玄関ホールをリフォームで吹き抜けにしています。既存の和の要素を残しながらも、木材を中心とした素材を用いたリフォームと吹き抜けによって、古民家風モダンのスタイリッシュな玄関ホールを実現しました。玄関から入ってすぐ横には、エントランスクロークを設置し、靴やバッグなどをたっぷり収納できるようになっています。
吹き抜けは塞いだり、埋めて部屋にしたりすることもできます。しかし、吹き抜けを埋めると住宅の床面積が増えるため、増築扱いとなり、建築確認申請が必要になることもあるため注意が必要です。申請が必要になるのは「床面積が10㎡を超える増築」です。また、この条件を満たしていなくとも、防災地域や準防火地域に住んでいる方に限っては、申請が必要です。
リフォームで吹き抜けを作ることで、採光性の向上や開放感、コミュニケーションの取りやすさといったメリットが得られます。しかし、メリットばかりではなく、床面積の減少による住居スペースの減少やメンテナンスや修理のコスト上昇、冷暖房の効率減少といったデメリットもあります。このように、得られるものが大きい吹き抜けですが、失うものも大きくなります。吹き抜けリフォームは、新築で吹き抜けを検討するよりも対策が必要となるため、注意が必要です。
吹き抜けにした後、吹き抜けを塞ぐことも可能ですが、手続きの手間やランニングコストがかかるため、リフォーム前にきちんと考えてからリフォームを行いましょう。今回の記事を読んで、吹き抜けリフォームをしようと決意した方、悩んでいる方は、ぜひ石友リフォームサービスにご相談ください。
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